沖縄 那覇(国際通り)

沖縄県の県庁所在都市である那覇市にある国際通りが、週1回「トランジットモール」になります。路線バスである那覇バスが乗り入れています。

「国際通り」とは

「国際通り」は、沖縄・那覇市のメインストリートです。片側1車線(往復2車線)の車道と、両側に歩道があります。全長約1.6キロメートルで、「那覇国際通り商店街」にもなっています。

那覇・国際通り

商店街のサイトでは、国際通りについて次のように説明しています。

『国際通り』は沖縄県の県庁所在地であり、県・市などの行政機関、民間企業が立地する業務集積地に隣接。
通りには約600の店やその他の事業所が軒を連ね、デパート、レストラン、サービス、雑貨店などや、ホテル、お土産屋などの観光客を対象としたたくさんの店でにぎわっている。
「人に優しい街・歩いて楽しい街」をコンセプトに掲げ、様々なイベントも行っている。

那覇国際通り商店街について|【公式】那覇市国際通り商店街

まあ、これだけであれば、どこにでもある(失礼)、道路とその両側に並んだ商店街です。路線バスも多く通ります。沖縄名物の渋滞も激しいです。

国際通りの「トランジットモール」

その国際通りが1週間のうち6時間だけ歩行者天国(いわゆる「ホコ天」)になります。その上、一部の路線バスだけは通ります。一般車両を締め出し、歩行者と路線バスだけの空間になりますので「トランジットモール」です。国際通りのあちこちに「トランジットモール」と書かれた道路標識が立っています。

「トランジットモール」と書かれた道路標識

「トランジットモール」と書いてある道路標識ははじめて見ました。おそらく、日本ではここだけだろうと思います。
道路標識だけでなく、道路上の掲示板にも「トランジットモール」の文字があります。

「トランジットモール」と書かれた掲示板

商店街のサイトでも「トランジットモール」について、次のように説明しています。

毎週日曜日、那覇国際通りの区間約1,300メートル、道路幅約18メートルを全線モール化し、一部の許可車を除く乗用車の通行を禁止し、歩行者優先の通りとしています。
通り内ではオープンカフェやストリートパフォーマンス、イベントなどを実施しています。

那覇国際通りのホコ天 トランジットモール|【公式】那覇市国際通り商店街

スケジュール

残念ながら、国際通りの「トランジットモール」は365日24時間実施ではありません。

毎週日曜日 正午~午後6時

の6時間、実施されます。
観光客や地元の買い物客向けに、日曜日の午後だけ実施しているイベントです。

走っているバス

イベントで歩行者天国を実施している商店街はたくさんあると思いますが、路線バスを走らせているのはここだけです。

那覇バスの系統番号10番のバスが走っています。バスは、小型です。コミュニティバスとしてよく使われている車両でしょう。しかし、ここではコミュニティバスではなく、通常の路線バスです。

那覇バスの系統番号10番

「トランジットモール」に入ると、バスは音楽を流しながら走ります。もちろん、最徐行です。商店街のあちこちに係員がいて、歩行者が多いところでは、バスを先導し、歩行者に声を掛けながら進みます。
歩行者天国だと思っていたらバスがやってくるので驚いている人もいました。

次の動画は、「トランジットモール」内をバスが走る様子を撮影したものです。音声はありません。動画が重かったら、申し訳ありません。

逆に、バスの車内から外を見るとこんな感じになります。

バスの車内から見たトランジットモール

現時点(2018.6.2)で、国内で歩行者天国になった商店街にバスを走らせているところは、ここと、群馬県前橋市の「銀座通り一丁目商店街」、石川県金沢市の「横安江町商店街」の3か所です。前橋と金沢は、日曜日のイベントではなく毎日実施しています。どちらもコミュニティバスが走っています。

群馬県の県庁所在都市である前橋市の「銀座通り一丁目商店街」がトランジットモールになっています。前橋市のコミュニティバスである「マイバス」が走っています。
石川県の県庁所在都市である金沢市の「横安江町商店街」という全長330メートルの商店街がトランジットモールになっています。トランジットモール内は、歩行者と自転車、それに「金沢ふらっとバス(此花ルート)」というコミュニティバスだけが通行可能です。

国際通りを走っているのもコミュニティバスと同様の小型バスです。歩行者と混在する危険性を考えると、小さいバスのほうがいいということでしょう。

エリア

国際通りは全長約1.6キロメートルありますが、「トランジットモール」になるのはそのうち約1.3キロメートルです。

下の地図で、左下の「県庁北口」交差点から北東(右上)に進み、「蔡温橋」交差点までの道路が「トランジットモール」です。

国際通りは、「蔡温橋」交差点からさらに300メートル先まで続いています。

「県庁北口」交差点はゆいレール(沖縄都市モノレール)の県庁前駅から徒歩2分、「蔡温橋」交差点は同じくゆいレールの牧志駅からすぐです。

次の画像は、「県庁北口」交差点の様子です。

「県庁北口」交差点

次の画像は、「蔡温橋」交差点の様子です。

「蔡温橋」交差点

道路封鎖

「トランジットモール」の開始時刻までは、当然、車が走っています。正午と同時に、係員が入り口を封鎖します。
下の画像からは、交通量の多い通りであることがわかると思います。

道路封鎖

すべての入り口で進入を止め、中の車を外に出してしまえば、封鎖は完了です。

国際通りには、横道も数多くあります。途中のすべての横道も、ほとんどの場所を次のような柵で封鎖します。「国際通りトランジットモール交通規制中 12:00~18:00 那覇市国際通りトランジット導入委員会・那覇警察署」と書かれています。

封鎖用の柵

自動車が国際通りを横切れるのは、真ん中あたりの1か所に制限されています。しかも、大通りではなく比較的小さな通りです。横切れる場所には信号があり、常に係員がついて、車、バス、歩行者の通行を管理していました。

下の画像は、トランジットモールを横切るために信号待ちしている車です。

信号待ちしている車

ただし、1か所だと思ったのですが、商店街のサイトでは2か所と説明されていますので、管理人の見落としかもしれません。要するに、1.3キロメートルのトランジットモールの中で、車が横切れるのは1か所か2か所だけです。それ以外の場所では、大きな通りであっても封鎖されています。そういうところでは、観光客目当てのタクシーが客待ちしていました。

タクシーの客待ち

観光客は慣れていないので、歩行者天国になってもなかなか車道に出てきません。地元の方は知っていると思いますが、歩道のほうが人が多いのはどこの歩行者天国でも同じです。最初のうちは、車道はがらんとしていました。それでも、時間の経過とともに徐々に車道を歩く人が増えてきました。

下の画像は、開始直後のものです。

開始直後の様子

係員

1.3キロメートルを封鎖するのですから、人手が必要です。係員らしき方々は、お揃いの蛍光色のベストを着て、道路の封鎖や、歩行者、バスの誘導に当たっていました。

係員

男性の学生アルバイト風の方が多かったように見えましたが、年配者や女性の方もいらっしゃいました。特にここでは、ただの歩行者天国と異なり、バスが通ります。係員は、バスを安全に通行させることに神経を使う場面が多かったように思います。

バスを先導

イベント

ここの「トランジットモール」は、商店街が主催しています。そのため、ただ歩行者天国にするだけでなく、観光客や地元の方を集めるためのストリートパフォーマンスなどのイベントも開催されています。
管理人が訪れたときは、沖縄の伝統芸能であるエイサーを地元の若者たちが踊っていました。

沖縄の伝統芸能エイサー

また、路上にキッズエリアが設けられ、子どもたちが自由に遊んでいました。

キッズエリア

キッズエリアの看板

キッズエリアの横をバスが通り抜けるときには、係員だけでなく、周りの大人たちがみんな神経を使っていました。

キッズエリアで最徐行

キッズエリアを囲むコーンにも「バスに注意」と書かれています。

バスに注意

キッズエリアの終了後は、道路に落書きが残っていました。

道路の落書き

ここでは落書きOKのようです。なかなかできないいい思い出になったでしょう。

過去のイベントについては、商店街のサイトで紹介されています。

那覇国際通りの新着情報!|【公式】那覇市国際通り商店街

自転車

この「トランジットモール」では、自転車は通行禁止です。

自転車は通行禁止

上の画像でも、

トランジットモールでの自転車走行は禁止となってます。
自転車は押して歩くのみです。

と書かれています。
大方の人は、自転車を押して通っていました。

自転車を押して通る観光客

ただし、守らない人はどこにでもいます。

ルールを守らない人

上の画像の人は、係員に注意されても無視して、そのまま走り去りました。
注意されたときだけ降り、ちょっと離れたら再び乗っていった人も見ました。

トランジットモールで自転車の通行を許可するかどうかは、主催者の判断によります。ここでは、観光客や子どもも多く、特に観光客はきょろきょろしながら歩いていますので、自転車通行禁止は妥当でしょう。

自転車ではなくバイクなので当然ではありますが、郵便配達の人も押して通っていました。

郵便配達

進入車両

原則として車は進入禁止ですが、走ってくることもあります。

駐車場に向かう車

管理人が見たのは、通りの途中にある駐車場に戻る車でした。車内に許可証らしいものが見え、係員が誘導していました。
この場合は、止むをえないでしょう。6時まで駐車場に戻れない、では生活に支障をきたします。こういう車は気をつけて運転しますし、係員もついていますので危なくありません。

しかし、勝手に入ってきた車も見ました。

進入車両

係員から注意

入り口に柵が置いてあったはずなので、自分でどけて入ってきたのでしょうか。係員に注意され、戻っていきました。こういう車はあわてているので要注意です。

封鎖解除

午後6時に封鎖解除です。正午の封鎖はスムーズでしたが、封鎖解除にはかなり危険を感じました。

海外からの観光客も含め、車道にはまだ多くの人がいます。座り込んで写真を撮っている人もいました。下の画像は、解除2分前の「蔡温橋」交差点です。

解除2分前の「蔡温橋」交差点

少し前から、係員が声を掛けていましたが、6時に解除になることを知らない人がほとんどです。あちこちに書いてはありますが、たいていの人は読んでいません。歩行者天国になっていて、車道に人がいるから自分も通っているという方が大半です。声掛けも外国人観光客には通じていませんでした。そのため、2分前でも上のような状態です。

下の画像は、午後6時ちょうどです。まだ車道で写真を撮っている人がいますが、すでに後ろではタクシーが待機しています。

封鎖解除直前

係員が封鎖を解除すると、タクシーがなだれ込んできました。

封鎖解除

確かに、午後6時で「トランジットモール」は終了です。観光客が多く残っていますので、タクシーには稼ぎ時なのだと思います。

毎週のことなので難しいかもしれませんが、まず両端(「県庁北口」交差点・「蔡温橋」交差点)だけ解除して通りに車を入れる、その際、先頭にパトカーを走らせる、通りに車が流れだしてから横道を解除するという、「パトカー先導」「2段階解除」方式ではだめでしょうか。
最後に歩行者が危険を感じるようでは困ります。

行き方

「トランジットモール」を見に行きたい方に、行き方を説明します。
とはいえ、国際通りは、おそらく沖縄でもっとも有名な通りでしょうから、お手持ちのガイドブックなどで簡単にわかるだろうとは思います。曜日と時間だけ、間違えないでください。

周辺にはホテルも多くあります。近くのホテルに泊まっている場合は、歩いていけるでしょう。

ホテルが離れている場合は、まず「ゆいレール」というモノレールの駅まで行ってください。ゆいレールに乗って県庁前駅か牧志駅で降りればすぐです。那覇空港にも駅があります。

ゆいレールの牧志駅

現在(2018.6.2)、那覇バスターミナルが工事中で、県内各地からバスで那覇を訪れる場合、バスの降り場がとてもわかりにくくなっています。しかし、今年(2018年)の秋に完成予定なので、できあがればわかりやすくなるでしょう。那覇バスターミナルは、ゆいレールの旭橋駅に隣接しています。旭橋駅でゆいレールに乗れば、隣が県庁前駅です。一駅ですので、歩いても大したことはありません。

2018.10.1 追記
2018年10月1日に那覇バスターミナルがリニューアルオープンしたそうです。便利になっていると思います。

ゆいレールの乗り方については、ブログの「那覇・ゆいレール(沖縄都市モノレール)の乗り方」で紹介しています。あわせてお読みください。

那覇には、沖縄唯一の軌道系交通機関である「ゆいレール(沖縄都市モノレール)」が走っています。乗ってきましたので、乗車券の買い方や改札口の通り方などについて説明します。特に、慣れない観光客の方にわかりやすい内容になっています。

また、「トランジットモール」内を走っている唯一の路線バスに乗る方法もあります。系統番号10番「牧志新都心線」という名前の路線で、出発地は那覇バスターミナルです。このバスに乗れば、「トランジットモール」内を走ることができます。トランジットモール内には「松尾一丁目」「てんぶす前」の2つのバス停があります。どちらで降りても、そこが「トランジットモール」です。

てんぷす前

おわりに

封鎖に使った機材は係員が軽トラで運んでいきました。また、来週末に持ってくるのでしょう。みなさん、ご苦労さまでした。

機材の撤去

管理人のトランジットモールの定義には当てはまりませんが、那覇・国際通りにも「トランジットモール」がありました。
管理人の定義については、「トランジットモールとは」をご覧ください。

管理人にとって「トランジットモール」とは、自動車のことを気にせずにゆっくりとショッピングなどを楽しみながら歩けるところです。

管理人が泊まったホテルでフロントの方に「トランジットモールって何ですか?」とお尋ねしたところ、「歩行者天国のことです」というお答えが返ってきました。トランジットモール評論家としては「トランジットモール=歩行者天国」と理解されてしまうと、「少し違うんですが」と言いたくなりますが、それが実態でしょう。

一般の方と「トランジットモール」という単語を使って会話が成立したのは初めてでしたので、ちょっと感動しました。

(2018年5月訪問)

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