那覇・ゆいレール(沖縄都市モノレール)の乗り方

ゆいレール 3-3.モノレール
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最終更新日 2024年7月8日

那覇には、沖縄唯一の軌道系交通機関である「ゆいレール(沖縄都市モノレール)」が走っています。乗ってきましたので、乗車券の買い方や改札口の通り方などについて説明します。特に、慣れない観光客の方にわかりやすい内容になっています。

2020年3月10日から、Suicaなどの全国相互利用サービス対応の交通系ICカードが使えるようになりました。県外からの旅行者は、那覇空港駅でスムーズに改札を通りぬけられます。

ゆいレール遠景

ゆいレールは、沖縄の玄関である那覇空港駅から、沖縄の象徴・首里城のある首里駅を経由して、てだこ浦西駅まで、17駅、17キロメートルの路線です。
2019年10月1日に、首里駅以遠の4駅(石嶺駅、経塚駅、浦添前田駅、てだこ浦西駅)が開業しました。

最近流行の駅ナンバリングが付いています。那覇空港駅が「1」、首里駅が「15」で、てだこ浦西駅は「19」になります。1系統しかありませんので、アルファベットは付いていません。

観光客も多く乗る路線ですので、駅が番号で管理されていると助かります。最近は外国人の観光客が多く、特に沖縄では地理的に近い台湾からの観光客を、ゆいレールでもたくさん見かけました。駅ナンバリングは、観光客にわかりやすいシステムです。

きっぷの買い方・使い方

Suicaなどの全国相互利用サービス対応の交通系ICカードをお持ちの場合は、そのまま改札を通れますので、きっぷを買う必要はありません。お持ちでない場合は、きっぷが必要です。

きっぷの買い方は、通常の鉄道と同じです。駅にある自動券売機で購入します。ふだん鉄道を利用している方であれば、大丈夫でしょう。そうでない方は、タッチパネルの案内をよく読んでください。

自動券売機

現金と沖縄ローカルのICカード「OKICA(オキカ)」のみです。残念ながら、クレジットカードは使えません。自動券売機ではSuicaなどの全国相互利用サービス対応の交通系ICカードも使えませんのでご注意ください。

普通乗車券

空港からホテルの最寄り駅までなど、1日に1回か2回だけ乗る場合は、普通乗車券を買います。距離制で、大人230円~370円、小人120円~190円です(2024.7.8時点)。
沖縄ローカルのICカード「OKICA(オキカ)」があり、それを利用した場合、隣の駅までは、大人150円、小人80円と安くなっています(おとなり区間運賃)。
※2019年9月30日までは普通乗車券も対象でしたが、「OKICA(オキカ)」のみになりました。

片道きっぷのみです。往復きっぷはありません。
料金は、駅の掲示板や自動券売機で確認してください。

乗車券|沖縄都市モノレール「ゆいレール」

沖縄ローカルの「OKICA(オキカ)」という交通系ICカードがあります。ゆいレールのほか、沖縄本島内の路線バスで使えます。地元の方の利用率は、とても高かったように見えました。しかし、ICカードの収集家でもなければ、観光客には向いていません。沖縄でSuicaなどの全国相互利用サービス対応の交通系ICカードが使えるのは、ゆいレールだけです。路線バスでは使えません。

全国で利用できる交通系ICカードについては、このブログの「交通系ICカード、自分のカードでどの電車・バスに乗れるのか一覧表で説明します」をご覧ください。

交通系ICカード、自分のカードでどの電車・バスに乗れるのか一覧表で説明します
ふだん使っている交通系ICカードが旅先でも使えるかどうか、気になったことはありませんか? 自分が持っているSuica(スイカ)などの交通系ICカードが旅行先でも使えるかどうか、現在の状況を一覧にしました。観光や出張などで、日本各地に出かけるときに、お役立てください。

きっぷでの改札の通り方が独特

券売機で乗車券を買ったら、自動改札を通ります。自動改札機は、全国各地でよく見る機械です。

自動改札機

しかし、自動改札機を通ろうとすると、きっぷを入れる投入口がありません。多くの場合、紙のきっぷであれば、投入口からきっぷを入れるとゲートが開き、出てきたきっぷを取り出して、自動改札を抜けます。

ゆいレールでは、自動改札機にきっぷを通しません。きっぷに印字されているQRコードをカードリーダー部分に読み込ませます。

右側にQRコードがあります。このQRコードをカードリーダーにタッチします。

「ICまたはバーコードでふれてください」と書いてあります。自動改札を通るときは、たいてい前後に人がいるので、ゆっくり見ることはありませんが、確かに書いてあります。

はじめのうちはなかなかうまく読み込ませることができませんでしたが、何回か通っているうちに慣れてきました。うまく通れず戸惑っている観光客を何人も見ました。

しかし、紙のきっぷを通さないので、引っかかったり、部品が磨耗したりする心配がありません。自動改札機のメンテナンスコストを考えると、よくできたシステムです。観光客としては、早く慣れるしかありません。

改札口を出るときも、同じようにQRコードを読み込ませます。きっぷは自動的には回収されませんので、駅の係員に手渡すか、自動改札機の出口にくっつけてある箱に入れます。

きっぷ回収箱

この赤い箱だけ、なんとなくアナログです。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

1日乗車券・2日乗車券

ゆいレールが、24時間乗り放題になる1日乗車券と、48時間乗り放題の2日乗車券があります。

日単位ではなく、時間単位であることがありがたい乗車券です。目的地の空港に昼ごろ到着すると、1日乗車券を買ったほうが得かどうか迷うことがあります。24時間券であればその心配は無用です。午後3時に買えば、翌日の午後3時まで有効です。2日乗車券であれば、翌々日の午後3時までです。

料金は、次のとおりです(2024.7.8時点)。

大人 小人
1日乗車券 800円 400円
2日乗車券 1,400円 700円

最初に乗車した時刻からではなく、券売機で買った時刻から24時間(48時間)ですので、注意してください。早めに買っておくと損です。
片道きっぷの料金が、大人230円~370円ですので、おおむね1日に付き4回以上乗れば元が取れます。

乗車券の種類・運賃|ゆいレール

また、1日乗車券・2日乗車券を見せると割引になる観光施設や飲食店があります。対象となる施設や金額については、ゆいレールのサイトをご覧ください。

フリー乗車券&割引施設案内|ゆいレール

首里城

※上の画像は、首里城の守礼門です。首里城は火災でほとんど焼失しましたが、幸い、守礼門は焼失を免れています。首里城の1日も早い復元を願っています。

駅構内で

すべての駅に、コンコースとホームをつなぐエレベーターと上りエスカレーターが設置されています。逆に、ホームから下るエスカレーターは、どの駅にもありません。

モノレールは、路面電車と異なり、地面より高い位置にあります。そのため乗り降りには必ず上下移動が伴います。車椅子でも大丈夫なように、コンコースと地上をつなぐエレベータはすべての駅にあります。したがって、エレベータであれば、必ず地上からホームまで行けるようになっています。
もちろん、階段はすべての駅にあります。

両端の駅を除き、ホームに上がると「1番ホーム てだこ浦西方面」と「2番ホーム 那覇空港方面」があります。自分がどちらに向かうかは、あらかじめ確認してください。慣れるまでは、けっこう迷います。

2番ホーム

電車が近づくと、電光掲示板に表示され、アナウンスが流れます。

電光掲示板

ホームの位置が高いので、安全のためすべての駅にホームドアがあります。
電車が着くと、ホームドアと電車の扉が自動で開きます。降りる人が終わってから乗り込みます。

次の動画は、駅で乗客が乗り降りする様子を撮影したものです。音声はありません。動画が重かったら、申し訳ありません。

また、駅のホームには車椅子の優先乗車位置を示す掲示もありました。

車椅子の優先乗車

3両編成

開業時には2両編成でしたが、利用者が多くなるにつれ2両では足りなくなってきました。そのため、2023年(令和5年)8月から3両編成の車両を順次投入しています。

ホームの電光掲示板にも、次に来る車両が2両編成か3両編成かが掲示されています。

2両と3両では、乗れる扉の数も異なります。ホームドアに掲示があり、2両編成でも3両編成でも乗れる場所か、3両編成しか乗れない場所か、わかるようになっています。

駅の施設

ひとつひとつの駅は、あまり大きくはありません。コンパクトにまとまっています。駅構内で道に迷うことはないでしょう。
コンパクトですが、さすがに大きな観光地だけあって、観光客向けの施設が充実しています。

コインロッカー

すべての駅にコインロッカーがあります。どの駅も改札付近にありますので、すぐに見つかると思います。

コインロッカー

ゆいレールのサイトによると、たとえば首里駅には中型18個、大型8個あるそうです。

駅コインロッカー|ゆいレール

駅にコインロッカーがあると便利です。ただし、常に空きがあるとは限りませんので、注意してください。

ATM・外貨両替機

県庁前駅など、観光客がよく利用する駅には、ATMや外貨両替機が設置されています。国内からの観光客が利用することはあまりないと思いますが、駅に外貨の自動両替機があるのは珍しいでしょう。

ATM・外貨両替機

ガイドブック

「モノなび沖縄」という観光ガイドブックが、駅に置いてありました。

モノなび沖縄

ゆいレールの乗り方と、沿線の観光案内がわかりやすく紹介されています。いつまで置いてあるかはわかりませんが、見かけたら入手することをおすすめします。日本語版だけでなく、英語版、中国語版(繁体字・簡体字)、韓国語版があります。

※2024年7月に訪れたときには外国語版はありましたが、日本語版はありませんでした。駅員さんにお伺いしたところ日本語版はもう作っていないとのことでした。残念ですが、公式サイトがありますので、そちらをご覧ください。

ものナビ沖縄|沖縄都市モノレール観光ガイドマップ

日本最南端・最西端の駅

ゆいレールは「鉄道」ではないかもしれませんが、軌道系交通機関であることは間違いありません。沖縄には、ほかに軌道系交通機関がありませんので、ゆいレールには日本最南端と最西端の駅があります。

日本最西端「那覇空港駅」

ゆいレールの起点である那覇空港駅が、日本最西端の駅です。改札口付近に次のようなモニュメントがあります。

日本最西端「那覇空港駅」

東経127°39′8″、北緯26°12′23″だとのことです。

日本最南端「赤嶺駅」

那覇空港駅の隣の赤嶺駅が、日本最南端の駅です。駅の下にある広場に次のようなモニュメントがあります。

日本最南端「赤嶺駅」

改札口には、次のような掲示もありました。

日本最南端「赤嶺駅」の掲示

おわりに

ゆいレールは2003年8月の開業です。計画時点では、「沖縄は車社会だから鉄道ができても誰も乗らない」という反対意見が根強くありましたが、開業後は順調です。平日の朝は4分間隔で運行されている時間帯もあります。

利用した印象としては、朝夕はかなりの混雑、日中でもそれなりの乗車率という感じです(個人的な感想です)。

ラッシュ

下の画像は、延伸開業前の工事の様子です。

延伸工事

車社会だからこそ渋滞のないモノレールの人気が高まっているのでしょう。

観光客にとっても、使いやすい乗り物です。なんといっても、空港に直結しているので便利です。ゆいレールができる前は、空港から那覇市内のホテルまでの所要時間がまったく読めませんでしたが、ゆいレールのおかげで楽になりました。
沖縄に行かれる方は、ぜひご利用ください。

沖縄都市モノレール

沖縄都市モノレール「ゆいレール」

那覇の中心にある国際通りで毎週日曜日に「トランジットモール」が開催されています。ゆいレールの県庁前駅、牧志駅からすぐです。観光客向けのイベントなども多く開催されていますので、日程が合えば、おすすめします。

沖縄 那覇(国際通り)
沖縄県の県庁所在都市である那覇市にある国際通りが、週1回「トランジットモール」になります。路線バスである那覇バスが乗り入れています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(2018年5月・2024年7月訪問)

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