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2019年11月17日(日)に、岐阜市の中心部で、トランジットモールの社会実験「岐阜市トランジットモール2019」が開催されました。
大にぎわいで、大成功のイベントでした。見てきましたので紹介します。
「岐阜市トランジットモール2019」とは
「岐阜市トランジットモール2019」は、2019年11月17日(日)に岐阜市の中心部にある金華橋通りで開かれたイベントです。往復6車線の大通りの片側3車線を使って行われました。2車線を歩行者天国として「公共交通フェスタ」やカフェ、グッズ販売などのイベントスペース、1車線を路線バス・タクシーの専用として一般車両の通行を禁止しました。
現地で受け取ったパンフレットには、
人と交通、なかよく、たのしく、ここちよく。
というキャッチフレーズが書かれています。
1日限りのあそべるどうろ
というキャッチもあります。「あそべるどうろ」という表現は面白いでしょう。
岐阜市では、2003年と2016年~2018年の計4回、トランジットモールの社会実験が行われています。最近の3回は、1本隣りの長良橋通りで開催されました。今回は、より広い金華橋通りに場所を変えての開催です。
スケジュール
イベントのスケジュールは次のとおりです。
2019年11月17日(日)10:30~16:00
日曜日の昼間、5時間半の開催です。
イベントのスケジュールとは別に、トランジットモールのスケジュールもあります。
トランジットモールは、準備と撤収の時間が必要なためイベントより長くなります。スケジュールは、次のとおりです。
一般車交通規制:9:00~18:00
※9:00~10:30:2車線を通行止め、1車線は通行可
10:30~18:00:2車線を通行止め、1車線を路線バス・タクシー専用
開始前に1時間半、終了後に2時間、取ってあります。
入口側の道路に看板を出し、通行止めになることを告知しています。
徐々に規制していくため、複数の看板を用意して、順次規制を強めていました。
トランジットモール開始
トランジットモールになるのは、金華橋通りの金町2丁目交差点から文化センター前交差点の間、約600メートルです。中間にもうひとつ金町5丁目交差点があります。
金華橋通りの片側3車線をトランジットモールにします。反対側の3車線は通行可能なので、道路の封鎖は両側ではなく片側の入り口だけです。もちろん出口側もふさぎますが、出口側から車が入ってくることはありませんので、難しくはありません。
入口側は金町2丁目交差点と金町5丁目交差点の2か所です。下の画像は、開始直前8:56の金町2丁目交差点の様子です。
すでに一部、赤いコーンは置いてありますが、一般車両が次々と入ってきています。
この時点で、市役所の担当者、警察官、警備員の方々が、歩道で待機しています。
道路を封鎖するための機材が、歩道に置かれています。
バス停もトランジットモール専用です。
9時ちょうどに、2車線を通行止めにします。
10時半に、3車線が一般車両通行止めになりました。
市役所の担当者の方(だと思います)が、看板の内容を入れ替えていました。
「車両通行禁止(公共交通のみ通行可)」という看板が、トランジットモールを表しています。
イベント
「公共交通フェスタ」と「ヤナガセパークライン」の2種類のイベントがあり、「公共交通フェスタ」が南側の1ブロック(金町5丁目交差点から文化センター前交差点まで)、「ヤナガセパークライン」が北側の1ブロック(金町2丁目交差点から金町5丁目交差点まで)でそれぞれ開催されました。
公共交通フェスタ
バス・タクシー・はたらくくるま 今年も大集合!!
とあり、「バスとつなひき」「こども免許証発行」など、主に子ども向けのイベントが開かれていました。
仮設のステージも設置され、子供たちによるダンスの披露なども行われました。
ヤナガセパークライン
「プレイエリア」「リビングエリア」「アート/ワークショップエリア」の3つのエリアに分かれ、
食べて、飲んで、遊んで、休んで。
公園のように通りを使いこなそう!
とのことです。
トランジットモールの様子
2車線と1車線
2車線がイベント用、1車線が路線バス・タクシー用です。車線の間は、厳重に区切られ、警備されています。
バス停、タクシー乗り場もありますが、こちらの警備も厳重です。
年に1回のイベントなので、これだけ厳重な警備ができますし、慣れていないため必要でもあります。
一般車両
入口側では、常に警備員の方が待機していました。通行止めを知らず、入ってこようとする一般車両も多く見かけました。ほとんどの車は、警備員の方のジェスチャだけで納得して通り過ぎていましたが、中には車を止め、警備員の方と押し問答になるケースもありました。
ただの歩行者天国であれば、道路をすべて通行止めにしますので、入れないということが一目でわかりますが、トランジットモールの場合は路線バスなどのために一部開けてあります。そこをなぜ通れないか納得できないようで、かなり長い時間、粘っていた車もありました。警備員の方、ご苦労さまでした。
自転車
トランジットモールで自転車に乗れるかどうかは、主催者の考え方によります。イベントの場合は、人出も多いので、通るときは降りて押してください、とするケースが多いようです。今回も、
トランジットモールの区間内では、
自転車の押し歩き
にご協力ください。
という看板が設置されていました。
臨時の自転車置き場も用意されていました。
混雑していましたので、乗って通ることはほぼ不可能で、ほとんどの人は自転車を押して通っていました。ただし、気にしない人間はどこにでもいるもので、自転車に乗ったままの人も見かけました。
トランジットモール終了
イベントが終了すると、すみやかに撤収です。
通行止めは18:00までの予定でしたが、イベントの撤収がスムーズにいったため(?)、40分前の17:20ごろには解除され、トランジットモールが終了しました。
すぐに車が入り、いつもの状態に戻りました。すでに日も暮れかかっています。
通行止めに使用した機材などの片づけ作業が大変そうでした。
関係者のみなさま、ご苦労さまでした。
おわりに
前日の16日(土)、JR岐阜駅北口駅前広場に、かつて岐阜市内を走っていた名鉄の路面電車「丸窓(まるまど)電車」が設置されました。
岐阜市内には路面電車が走っていましたが、2005年に廃止されました。もしその路線が残っていれば、路面電車が走るトランジットモールを見られたかもしれません。ちょっと、残念です。
とはいえ、当日は快晴で、来訪者も多く、すばらしいイベントでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
なお、最近、岐阜だけではなく、富山でもトランジットモールの社会実験が毎年複数回行われています。富山には路面電車が走っていますので、路面電車と組み合わせた実験になっています。私は、2017年10月と2018年3月に見てきました。内容については、ブログの「富山:大手モールフェス(トランジットモール社会実験)は大盛況でした!」「富山:「越中大手市場~トランジットモール~」(社会実験)は大成功でした!」で紹介していますのでご覧ください。