日食は太陽が月に隠れる現象です。太陽が隠れてしまいますので、当然、地上の気温は下がります。
私は、2017年8月21日(現地時間、日本では22日)にアメリカで皆既日食を見ました。温度計を持参し、日食の始まりから皆既までの温度変化を記録しましたので紹介します。
観測場所
アメリカの北西部、オレゴン州にあるモンマス(Monmouth)という町で、皆既日食を見ました。
モンマスは、オレゴン州最大の都市であるポートランドから南に車で1時間ほど行った町です。セイラムという市のすぐ南に位置しています。
日本やアメリカで放送された皆既日食の番組ではセイラムがよく取り上げられていましたので、セイラムであればおわかりになるかもしれません。
モンマスは、セイラムの南にあり、町の中心部のすぐ南を皆既の中心線が通っています。
私が日食を見た場所では、日食のスケジュールは次のようになっています。現地時間です。
- 第1接触(日食の始まり):9:05
- 第2接触(皆既日食の始まり):10:17
- 第3接触(皆既日食の終わり):10:19
- 第4接触(日食の終わり):11:37
観測条件
私は、日食の研究者ではなく、ただのトランジットモール評論家です。申し訳ありませんが、百葉箱などの専門用具は持ち歩いていません。
温度を測るのであれば、日光が直接当たる場所はまずいだろうと、駐車場に止めた車の下に温度計を置きました。
上の画像の、黒い車の下においてあるのが、温度計です。
温度変化
9:10 25℃
日食が始まった直後の気温です。25℃でした。体感としては、もっと暑かったように思いましたが、日陰ではこんなものだったのでしょう。
9:18 24℃
8分で1℃下がりました。体感的には変わりません。
この時点で、太陽の欠け方はこの程度です。
9:24 23℃
6分でまた1℃下がりました。
9:48 22℃
しばらく気温は変わりませんでしたが、24分で1℃下がりました。写真では時計も入れてみました。
10:12 21℃
24分で1℃下がりました。偶然なのか、欠け方が均等だからかわかりませんが、今回も24分です。
この時点で、太陽の欠け方は下の画像の程度です。しかし、画像では、まだ太陽がある感じがしますが、肉眼ではほとんど太陽はありません。
太陽が完全に隠れるまであと5分です。
10:19 21℃
皆既日食が終わった直後です。さきほどから気温は変わっていませんが、日食の始まりからは4℃下がりました。
体感的には、皆既日食が始まると同時に気温がさらに下がったように感じましたが、真っ暗になったことによる錯覚でしょうか。
この前の画像と比べて、タイヤの向こうに見えるわずかな景色の違いにお気づきでしょうか。ほんの5分前は昼でしたが、夜のような風景に変わっています。
皆既日食の時点では、太陽は完全に欠けています。太陽は月に隠れ、コロナが見えていました。
おわりに
皆既日食が終わるとともに、気温は徐々にもとに戻っていきました。
日食を見ると、太陽のすばらしさを毎回感じます。太陽が月に隠れるぎりぎりまでの明るさと、それとは逆の気温の変化です。
明るさは、ぎりぎりまで変わりません。太陽は、1%の光量でも太陽です。しかし、気温は違います。月に隠されはじめると同時に、気温の低下が始まります。今回は、その温度低下を観測できました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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