最終更新日 2024年3月3日
鹿児島市を走る路面電車に「鹿児島市電」があります。2018年には、NHKの大河ドラマで鹿児島の西郷隆盛が主人公になりました。
鹿児島といえば桜島ということで、桜島をバックに路面電車の写真を撮ったのですが、雲に隠れてよくわからないものになってしまいました。
一応、後ろに見える山が桜島です。
この記事では、運賃の支払方法や、どこの扉から乗るかなど、鹿児島市電の乗り方について説明します。
系統
1と2の2つの系統があります。どちらも鹿児島駅が起点で、途中の「高見馬場」停留所で2つに別れ、「郡元」停留所で合流します。1系統はさらに先まで続きます。2系統は「郡元」停留所が終点です。
鹿児島駅は、新幹線の終点である鹿児島中央駅とは違いますので注意してください。
最近流行の駅ナンバリングが付いています。1系統がアルファベットの「I」、2系統が「N」です。「いち(Ichi)」と「に(Ni)」でしょうか(確認はしていません)。
例えば、「武之橋」停留所は、「I11」です。
外国人観光客も多かったので、駅ナンバリングは便利でしょう。
ただし、以前はアルファベットではなく数字の1と2で区別していたようで、まだその表示が残っているところがあります。紛らわしいので、変更したのであれば掲示もすみやかに変えていただきたいと思います。
1系統の「涙橋」停留所から終点の「谷山」停留所までが専用軌道で、それ以外が併用軌道です。
専用軌道区間は、通常の電車の線路と変わりません。
観光や出張で乗る場合は、新幹線の終着駅であるJR鹿児島中央駅からが多いでしょう。JR鹿児島中央駅には、鹿児島市電の「鹿児島中央駅前」停留所があります。2系統の「N11」です。
また、空港などからバスで来れば、繁華街である天文館にある「天文館通」停留所も便利です。こちらは、1系統、2系統の両方が通っています。「I07」「N07」の2つの番号が付いています。
下の動画は、「鹿児島駅前」停留所から電車が出てくる様子です。音声はありません。動画が重かったら、申し訳ありません。
運賃の支払方法
運賃は全線均一で、大人170円、小人80円です(2024.3.3時点)。小人運賃は(端数切上げの)90円ではなく、80円です。JR以外で、端数切捨ては珍しいでしょう。
中乗り、後払いです。車両の中程の入り口から乗り込みます。
乗るときには運賃は払いません。降りるときは、車両の前方に移動し、運転席のすぐ後ろにある料金箱に所定の金額を入れて、前扉から外に出ます。一日乗車券を持っている場合は、そのときに運転手に見せます。
現金だけではなく「ラピカ(Rapica)」または「いわさきICカード」という交通系ICカードも使えますが、両方とも鹿児島限定のため、旅行者向きではありません。
停留所の案内版や、車内のICカードリーダーなどいたるところに「全国共通カード(Suica・SUGOCA等)はご利用できません」と書かれています。
Suicaは使えますか、などと聞かれることが多いのだと思います。それであちこちに書いてあるのでしょうが、そこにエネルギーを割くより、できるだけ早く交通系ICカードの全国相互利用に対応していただきたいと思います。
電車・バスのご利用方法 鹿児島市交通局 |
全国で利用できる交通系ICカードについては、このブログの「交通系ICカードで乗れる路面電車一覧」をご覧ください。
路面電車に限らず、日本全国のどの交通機関で、どのカードが利用できるかについては、「交通系ICカード、自分のカードでどの電車・バスに乗れるのか一覧表で説明します」「交通系ICカード「全国相互利用サービス」で乗れる電車・バスをすべて紹介します」で説明しています。あわせてごらんください。
タッチ決済
2022年1月1日から一部の車両で「VISAのタッチ決済」が始まり、2023年3月28日から全車両に対応し、ブランドも追加されました。
現在の対象ブランドは、
- VISA
- JCB
- American Express
- Diners Club
- Discover
- 銀聯
です。Mastercardは、「準備が整い次第対応いたします」とのことです。
鹿児島市電では、Suica(スイカ)など「全国相互利用サービス」対象の交通系ICカードが利用できません。タッチ決済対応のクレジットカードやスマートフォンを持っている旅行者にとっては便利です。
タッチ決済については、「タッチ決済で電車やバスに乗る」で説明しています。あわせてごらんください。
一日乗車券
「市電・市バス・シティビュー 一日乗車券」があり、大人600円、小人300円です(2024.3.3時点)。市電だけであれば、4回で元が取れる計算になります。市バス・カゴシマシティビューも全線乗り放題です。
スクラッチ方式で、購入後、運転手に見せる前に日付の部分を自分で削ります。
電車やバスの車内で購入できます。そのほか、JR鹿児島中央駅の2階にある「鹿児島中央駅総合観光案内所」や中央駅近くのローソン、市内のホテルなどでも買えます。販売所は、鹿児島市交通局のサイトで紹介されています。
スマホで利用できる「スマホ一日乗車券」のあります。
私は、鹿児島中央駅近くのローソンで買ったのですが、1軒目は大人用は売り切れで小人用しかありませんと言われ、2軒目は全部売り切れ、3軒目でようやく買えました。ここに限らず、委託販売所で在庫がないことはよくある話で、あてにしていると困ることがあります。素直に車内で買うことをおすすめします。日付を削る手間がありますので、あらかじめ小銭を用意して、信号待ちで電車が止まっているときなどにすばやく買いましょう。
一日乗車券 鹿児島市交通局 |
観光レトロ電車
※残念ですが、「観光レトロ電車」は2021年で廃止されました。以下の記事は、過去の記録とお考えください。
土日祝限定ですが、「観光レトロ電車」が運行されています。
鹿児島市交通局のサイトでは、次のように紹介しています。
鹿児島市電車運行100周年を記念し、大正時代から昭和30年代まで運行していた木製電車をイメージして観光レトロ電車「かごでん」を製作し、運行しています。車内では、市民ボランティアによる観光案内をいたします。
乗車時間は約70分で、大人340円、小人170円です。一日乗車券でも乗れます。タイミングが合えば、乗ってみてはいかがでしょうか。
センターポールと緑化
鹿児島市電の特長は、「センターポール」と「軌道の緑化」です。
センターポールは、路面電車に電力を送る架線を吊るために、道路の真ん中に建てられた柱です。下の画像で、線路の間に茶色い柱が立っている様子がわかると思います。
路面電車では、架線を道路の上に張り巡らせているケースが多いのですが、センターポールがあることですっきりとしています。1992年(平成4年)3月に併用軌道の全区間のセンターポールが完成したとのことです。
また、線路の周りに芝生が植えてあることも目に付きます。「軌道の緑化」です。
騒音の軽減や気温の低下という効果があります。なによりも、見た目がきれいです。
日本最南端の電停
鹿児島市電は、国内で一番南に位置する路面電車です。したがって、日本最南端の停留所があります。
1系統の終点「谷山」停留所です。もう少し、離れて撮るとこんな感じになります。
最南端の電停は、駅舎のデザインもユニークです。
構内には「日本最南端電停記念スタンプ」もありますので、もし下りる機会がある方はスタンプ帳か白紙を持っていくといいと思います。
おわりに
地元の人も観光客もよく利用していました。
観光客は一日乗車券、地元の人は現金での支払いが多かったように思います。ICカードの利用者も少なくありませんでした。
いろいろなタイプの車両が走っています。新型の「ユートラム」という車両は低床で段差もありません。ユートラムにも3種類あり、それぞれ異なります。運行本数も多いので、一日乗車券を買って車両を乗りくらべるのも面白いと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(2018年4月訪問)