最終更新日 2024年1月28日
北海道の函館市を走る路面電車に「函館市電」があります。朝市などの市内の主な観光スポットを網羅していて、とても便利です。全線が併用軌道です。
この記事では、運賃の支払方法や、どこの扉から乗るかなど、函館市電の乗り方について説明します。
系統
2と5の2つの系統があります。系統番号が離れているのは、路線廃止の名残です。
2つの系統といっても、全26停留所のうち、20停留所を共通に利用していますので、実質的には1.2系統ほどです。
起点の「湯の川」停留所(DY01)から五稜郭公園前(DY09)、函館駅前(DY17)を経て、「十字街」停留所(DY20)まで同一です。「十字街」停留所で2つに分かれ、2系統は「谷地頭」停留所(Y26)、5系統は「函館どつく前」停留所(D23)まで、それぞれ3停留所あります。
次の動画は、2系統の終点「谷地頭」停留所に電車が着いたときの様子です。音声はありません。動画が重かったら、申し訳ありません。
「DY01」「Y26」「D23」というのは、駅ナンバリングです。「Y」は谷地頭(やちがしら)の「や(Ya)」、「D」は函館どつく前の「ど(Do)」から付いたのでしょう。両方の路線が通る停留所は「DY」です。外国人旅行客も多かったので、わかりやすいと思います。
観光や出張で函館を訪れる場合は、JR函館駅のある「函館駅前」停留所から利用するケースが多いでしょう。函館空港には乗り入れていませんので、函館空港から路線バスを利用すると、やはりJR函館駅からが便利です。
運賃の支払方法
運賃は距離制で、大人210~260円、小人110~130円です(2024.1.28時点)。
※上の画像は、2019年10月1日の消費税アップより前に撮影したものです。現在は一部異なりますので、ご注意ください。
中乗り、後払いです。車両の中央の入り口から乗り込みます。そのとき、整理券を取ります。1日乗車券を持っている場合は、整理券を取る必要はありません。
現金だけでなく、Suicaのような交通系のICカードも使えます。交通系ICカードを利用する場合は、カードリーダーにタッチします。
降りるときは、車両の前方に移動し、運転席のすぐ後ろにある料金箱に整理券と所定の金額を入れて、前扉から外に出ます。金額は、車内に掲示されています。
交通系ICカードの場合は、降りるときもカードリーダーにタッチします。1日乗車券を持っている場合は、そのときに運転手に見せます。
乗車料金(函館市電)|函館市 |
利用できる交通系ICカードについては、このブログの「交通系ICカードで乗れる路面電車一覧」で説明しています。
路面電車に限らず、日本全国のどの交通機関で、どのカードが利用できるかについては、「交通系ICカード、自分のカードでどの電車・バスに乗れるのか一覧表で説明します」「交通系ICカード「全国相互利用サービス」で乗れる電車・バスをすべて紹介します」で説明しています。あわせてお読みください。
1日乗車券
市電専用1日乗車券(ICAS TICKET)があり、大人600円、小人300円です(2024.1.28時点)。3回乗れば元が取れる計算になります。
市内各地に販売所があります。電車内でも買えます。旅行者には、「函館市駅前観光案内所」や「函館空港ビルデング(1階到着ロビー 総合案内所)」が便利です。
1日乗車券をJRの駅の案内所で買えるケースは珍しくありませんが、空港で買えるのは助かります。到着ロビーに出て左手に進むと、総合案内所があり、そこで買えます。
市電だけでなく、函館バスの一定区間も乗り放題になる「函館バス・市電1日乗車券」「函館バス・市電2日乗車券」もあります。料金は、次のとおりです(2024.1.28時点)。
大人 | 小人 | |
1日乗車券 | 1,000円 | 500円 |
2日乗車券 | 1,700円 | 850円 |
函館山など、市電だけでなく、函館バスを利用したほうが便利な行き先もあります。空港から市内まで函館バスを利用するときにも使えますので、どちらにするかあらかじめ調べていくことをおすすめします。
ただし、空港と函館駅を結ぶバスには、函館バスだけでなく、函館帝産バスもあります。函館帝産バスは対象外です。お気をつけください。
買える場所は市電専用1日乗車券と同じです。電車内でも買えます。
お得な乗車券(函館市電)|函館市 |
五稜郭公園
函館の名所の1つに「五稜郭公園」があります。江戸時代の末期に造られた西洋式の城塞で、明治時代初期の箱館戦争の舞台となりました。新撰組の土方歳三(ヒジカタトシゾウ)ゆかりの地という説明のほうがとおりやすいかもしれません。現在では公園として整備されています。
函館市電には「五稜郭公園前」停留所があります。ここで降りればすぐのような気がしますが、実際には1キロ近く離れています。歩くと15分程度はかかりますのでご注意ください。
おわりに
軌道敷がかなり痛んでいて、あちこちで補修工事が行われていました。いろいろと大変だと思います。
市電は、観光客にも地元の方にもよく利用されていました。
料金の支払いでなかなか列が進まず、降りるのに時間がかかるという光景をよく見かけました。信用乗車の導入は無理でしょうが、せめて全線均一料金にすれば、もう少しスムーズになると思います。現在でも大人210~250円ですので、均一にするのは可能ではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(2018年6月訪問)