トランジットモールとは

管理人にとって「トランジットモール」とは、自動車のことを気にせずにゆっくりとショッピングなどを楽しみながら歩けるところです。

ウィキペディアでは、「トランジットモール(Transit mall)」を次のように説明しています(2019.5.9時点)。

自家用自動車の通行を制限し、バス、路面電車、LRT、タクシーなどの公共交通機関だけが優先的に通行できる形態の歩車共存道路を指す。

ウィキペディア「トランジットモール」

そんな管理人にとっての「トランジットモール」の定義を考えてみました。もちろん「私見」です。

  • 歩行者、自転車、公共交通機関だけの空間であること(ただし、救急車等の緊急車両や期間限定の工事用車両など、特別に必要な車両は進入可)
  • 365日24時間実施されていること(ただし、深夜の商品搬入などの車両は進入可)
  • 商業施設があること
  • 歩道と車道(または軌道)があまり厳密に分けられていないこと
  • 線ではなく、面としての広がりを持つこと

管理人が訪れたヨーロッパのトランジットモール

管理人は、これまでにヨーロッパの次の3都市のトランジットモールを訪れています。

各都市のトランジットモールの様子については、それぞれのページをご覧ください。上のリストの都市名をクリックすると移動できます。

これらの3都市のトランジットモールは、いずれも上に示した管理人による「トランジットモールの定義」を満たしています。というより、ヨーロッパの都市のトランジットモールを見て定義を作成しています。

いずれの都市でも、中心市街地が繁盛し、トランジットモール内でたくさんの人々が自動車のことを気にせずにゆっくりとショッピングを楽しんでいました。

次の写真は、ドイツのフライブルクにあるトランジットモールを撮ったものです。

フライブルクのトランジットモール

管理人が訪れた日本のトランジットモール

管理人は、これまでに日本の次の5都市のトランジットモールを訪れています。

各都市の様子については、それぞれのページをご覧ください。上のリストの都市名をクリックすると移動できます。

これらの中には、トランジットモールとは言っていないが管理人がトランジットモールだと思ったところ(高岡)や、逆にトランジットモールと言っているが管理人がそうは思わなかったところ(姫路、那覇)も含まれています。

ただし、高岡では歩行者天国の商店街を走っていたコミュニティバス「こみち」の運行が2018年(平成30年)3月31日で終了しました。これにより、トランジットモールとは言えなくなりました。

国内のトランジットモールは、上に示した管理人による「トランジットモールの定義」をおおむね満たしていますが、残念ながら

  • 線ではなく、面としての広がりを持つこと

が徹底的に欠けています。

姫路を除く4か所では、いずれも1つの商店街がトランジットモールになっています。姫路は面的な広がりを、狭いながらも持っていますが、その他の定義を満たしていませんので、ここでの話から除外します。

  • 前橋「前橋中心街商店街」
  • 高岡「御旅屋(おたや)通り商店街」(2018.3.31以前)
  • 金沢「横安江町商店街」
  • 那覇「国際通り商店街」

商店街が積極的に働きかけてトランジットモールを実現させたのだと思います。自動車を締め出すということには、多くの反対と、さらに客足が遠のくのではないかという大きな不安があったことと思います。それにも関わらず実行されたことに敬意を表したいと思います。

次の写真は、前橋にあるトランジットモールを撮ったものです。

前橋のトランジットモール

とはいえ、1つの商店街が単位ですから、1本の道路だけがトランジットモールになっています。訪れた印象としては、歩行者天国に路線バスが走っているというものです。
実際に、歩いている人から「ここは歩行者天国になっている」という声は何度も聞きましたが、「トランジットモールになっている」という声を聞いたことはありません。

ヨーロッパのトランジットモールは1本の線ではなく、面として広がっています。1つの地域全体に自動車がいないという印象になり、単なる歩行者天国という感じにはなりません。
もちろん、商店街単位で実現できる話ではありません。

また、ヨーロッパのトランジットモールは、どこも城壁に囲まれた旧市街が単位になっています。城壁がすべて残っているわけではありませんし、旧市街の範囲がトランジットモールとぴったり重なるわけでもありませんが、やはり旧市街というまとまりをイメージできるだけ、境界を決めやすいという利点があります。

日本で、歩行者が歩きやすく買い物がしやすいトランジットモールを実現するためには、行政の力が必要になるでしょう。

富山:トランジットモール社会実験

そこで、2017年10月、2018年3月、7月、2019年3月に富山市でトランジットモールの社会実験を兼ねたイベント「大手モールフェス」が開催されました(2018年9月は台風のため中止)。

富山「大手モールフェス」

この社会実験は、行政機関である富山市が中心となって行われました。ネットなどの情報によると、富山市の市長さんがトランジットモールに大変意欲的だとのことです。
管理人は、2017年10月と2018年3月の実験を見てきました。ブログの「富山:大手モールフェス(トランジットモール社会実験)は大盛況でした!」「富山:「越中大手市場~トランジットモール~」(社会実験)は大成功でした!」で紹介していますので、ご覧ください。

2017年10月に富山市の中心部で、トランジットモールの社会実験を兼ねたイベント「大手モールフェス」が開催されました。大にぎわいで、大成功のイベントでした。14日(土)に見てきましたので紹介します。
2018年3月に富山市の中心部で、トランジットモールの社会実験を兼ねたイベント「越中大手市場~トランジットモール~」が開催されました。 天候にも恵まれ、暖かく、にぎやかなイベントになりました。見てきましたので、紹介します。

この社会実験が画期的である点は、トランジットモール内を通る公共交通機関が路線バスではなく、路面電車であるということです。
トランジットモール内では、公共交通機関の車両だけが通行できます。国内で現在実施されているトランジットモールでは、その公共交通機関はすべて路線バスです。

しかし、富山市では路面電車で実験を行いました。国内で路面電車を通すトランジットモールを実現しようとすると、どのような問題が発生するかを浮き彫りにした実験となりました。
事故を絶対に起こさないために必要な設備、労力がきわめて大きく、その点を解決できなければ到底実現不可能だということが、あらためて目に見える形ではっきりわかりました。逆に言うと、そこをクリアできれば、あとは住民の理解と行政の意欲の問題となります。評論家は責任がなく気楽でいいな、というご批判はあろうかと思います。

バスより路面電車で

それはさておき、管理人は、トランジットモールにはバスよりも路面電車が向いていると思っています。
その理由は、

  • 軌道を外れて走行することがないため、歩行者が危険を察知しやすい
  • 中心市街地では併用軌道で乗り降りに便利、郊外では専用軌道で高速移動と、公共交通機関としての利便性が勝る

という点です。

路面電車というとスピードが遅いというイメージを持つ方が多いと思いますが、現在のものは異なります。
中心市街地ではトランジットモール内を走ります。危険がないように当然ゆっくりです。道路から直接乗り降りできますのでとても便利です。
郊外に出ると、専用軌道を走ります。通常の電車と変わりません。専用軌道なのでゆっくり走る必要はありません。車両の性能が上がっていますので高速で走行できます。
中心市街地と郊外を乗り換えなしで、便利にすばやく移動できます。

郊外では、広い敷地に駐車場を設けて乗り換えるパークアンドライドや、広い範囲を細かくカバーできる路線バスと乗り換えるバスアンドライドで、沿線以外の住民も路面電車を利用できるように工夫されています。パークアンドライド、バスアンドライドについては、上の用語をクリックすると説明したページに移動できます。

パークアンドライド・バスアンドライド

管理人が訪れたアメリカのトランジットモール

管理人は、これまでにアメリカの次の2都市のトランジットモールを訪れています。

各都市のトランジットモールの様子については、それぞれのページをご覧ください。上のリストの都市名をクリックすると移動できます。

管理人が訪れたアメリカのトランジットモールは、上に示した管理人による「トランジットモールの定義」、つまりヨーロッパのトランジットモールとはまったく異なるものでした。
ここでのトランジットモールは、路面電車と路線バスの乗り換えが便利なように中心市街地に路線を集め、その周辺では一般車両の通行を少し制限するというものです。
一般の自動車の通行を不可とし、歩行者、自転車と公共交通機関だけの空間を作るというものではありません。

Transit Mall(トランジットモール)と呼んでいても、国によって意味づけは違います。ただし、アメリカ、カナダの北米地域やさらに他の地域にも、管理人の定義するトランジットモールはあると思いますので、いずれ訪問し、ご紹介します。

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