競争率の高い航空券をマイルで予約した私の方法(2009年皆既日食)

奄美空港の屋上 1-3.取り方
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今年(2017年)は、8月にアメリカで皆既日食が見られます。皆既日食といえば、8年前に日本でも発生し、多くの観光客が訪れたことを覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
私はそのとき特典航空券を使って、奄美大島に行きました。航空券代は無料です。多くの人が相当な額のツアー代金を支払って、観測地まで出かけたはずです。特典航空券を利用してタダで行けたのは、ごく少人数だったでしょう。
この記事では、特に競争の激しいときに国内の特典航空券を取った方法について説明します。10年近く前の話になりますが、いまも有効な方法です。

今年のアメリカの皆既日食については、「ざっと知りたい!2017年アメリカ横断皆既日食」で説明しています。

ざっと知りたい!2017年アメリカ横断皆既日食
2017年8月21日(アメリカ時間、日本では22日)、アメリカの広い地域で皆既日食が見られます。 この記事では、2017年アメリカ横断皆既日食について、大まかなところをちょっと読めばわかるように説明します。

2009年日本で皆既日食

2009年、九州の南海上を中心にした地域で皆既日食が起こりました。トカラ列島の悪石島が特に皆既の継続時間が長く、ツアー料金の高さとともに有名になりました。結局、梅雨が明けなかったため、多くの観測地点で雲がかかり、太陽を見られなかったことは残念でした。私も太陽を見ることはできませんでしたが、皆既日食独特の雰囲気は十分に堪能できました。

観測場所を奄美空港に決定

皆既日食を見に行きたいとは思いましたが、高額のツアー料金はとても払えません。全国から狭い地域に人が集まりますから、

  • 宿泊施設は取れない(空きがない、またはあまりにも高額)
  • 皆既帯内での移動もできない(レンタカーが借りられない、借りられたとしても渋滞で動けない)

と覚悟しました。

そのため、当日飛行機で観測場所に入り、そこで皆既日食を観測した後、その日のうちに観測場所から出るルートを考えました。難しい条件ですが、この条件を満たす観測場所がありました。奄美空港です。奄美空港であれば、東京、大阪、鹿児島などからJALが飛んでいます。現在では、LCCのバニラエアーが飛んでいますが、当時LCCはまだありませんでした。
皆既時間が2分程度あり、皆既日食の条件としても悪くありません。太陽の方向は海で、晴れさえすれば(!)絶好の観測場所です。

奄美空港の屋上

当日は、奄美空港の屋上に陣取りました。同じことを考えた人が多くいましたが、屋上は広く、お互い邪魔になることはありませんでした。昼食には、奄美大島名物の鶏飯を空港のレストランでいただきました。

国内線の特典航空券は無理

私は東京在住です。奄美空港までマイルで往復するとすれば、JALの羽田-奄美大島を予約するのが順当です。しかし、国内線の予約開始日は2か月前です。その時点では、特典航空券どころか、座席そのものの空きが完全になくなっているだろうと推測しました。
実際に、2か月前にJALのサイトを確認しましたが、ものすごい競争で、普通運賃でも予約を取るのは不可能だったろうと思います。

国際線の特典航空券として予約

国内線の予約は2か月前ですが、国際線は約1年前です。1年前であれば、皆既日食に気づいている人は多くありません。限られた日食ファンと競争すれば済みます。
国際線の航空券に国内線を組み込むことは難しくありません。誰もが、成田や関空から出発できるわけではありません。地方の空港から成田や関空を経由して海外に出発するというルートは自然です。ただし、鹿児島から奄美大島を経由して東京から海外へというルートはやや不自然です。また、このルートでは、東京に滞在できず、24時間以内に出国しなければなりません。奄美大島で皆既日食を見て、その足で海外旅行に行くというのはいささか無茶でした。

最後の手段として、海外発で日本を目的地とする特典航空券にたどり着きました。具体的には、次のようなルートです。

第1区間 ソウル(韓国)→東京 2009年3月
第2区間 鹿児島→奄美大島 2009年7月22日
第3区間 奄美大島→大阪 2009年7月22日
第4区間 東京→ソウル(韓国) 2009年10月

行きのソウルまでと、帰りのソウルからは、別の特典航空券を使いました。いまならLCCにしたと思います。特典航空券2つで、計3回の旅行を計画する形になりました。

不思議な感じがするかもしれませんが、これで1つの航空券です。
この特典航空券は、次のような条件に従っています。10年近く前の話なので厳密に正確ではないかもしれませんが、発券できていますので大きくは違わないはずです。

  • 途中降機(24時間を超える滞在):海外(日本以外)発日本国内を目的地とする旅行では、往路、復路あわせて目的地以外に1回のみ可能
  • 地上移動区間:滞在時間にかかわらず両端の都市を合わせて目的地としてカウント

途中降機とは、目的地以外で24時間以上、乗り換えの時間が空くことです。乗り換えではなく、滞在とみなされます。複数の観光地を回るときなどに利用します。「ストップオーバー」と言ったほうがわかる方が多いかもしれません。要するに、1つの航空券で2か所滞在できるということです。上の旅程では3回飛行機から降りていますが、奄美大島では朝着いて皆既日食を観測(見えませんでしたが)し、昼過ぎには出ましたので、途中降機ではなく乗り継ぎの扱いになっています。

また、上の旅程が不思議に見えるのは、「東京に着いて鹿児島から乗る」「大阪に着いて東京から乗る」というように、到着地と出発地が連続していないことでしょう。これも「地上移動区間」という扱いで問題ありません。

なんでこの旅程にしたのか

第1区間をソウル発としたのは、必要なマイルが少なく、行きやすいためです。香港やロンドン、ハワイなど、どこからでも条件は同じですが、マイルが多く必要なうえ、前後2回、別の旅行が付きます。それを考えると、ソウルがもっとも手頃でした。

第2区間が鹿児島発になっているのは、それしか選択の余地がなかったからです。皆既日食が午前9時半ごろからはじまるので、当日それに間に合う便は鹿児島発の第1便しかありませんでした。

第3区間が大阪着になっているのは、東京行きが取れなかったからです。私は東京在住のため、東京までまっすぐ戻りたかったのですが、私と同じように特典航空券を予約した方が別にいたようで東京行きは満席でした。微妙な差だったはずです。やむを得ず、大阪-東京間は別に航空券を買いました。

第4区間はある意味消化試合のようなものですが、せっかくソウルまで行けるのですからきっちり旅行に使いました。

以上は2008年(予約時点。搭乗は翌2009年)に私がJALで特典航空券を取ったときの話です。現在ではJALの条件が変更され、2016年11月以降このような取り方はできなくなりました。しかし、ANAであれば、現在も同様の条件で予約が可能です。まだ有効な内容のため、記事として掲載することにしました。ただし、特典航空券の条件はいつ変更されるかわかりません。予約するときには、最新の条件を必ず確認してください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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